2010.06.29 人間ウオッチング
昨日赤坂に用事が有り、井の頭線に乗って出かけました。
渋谷についても、おじいさんの歩き方がヨタヨタなので様子をずっと見ていました。
こんな話を患者さんにしたら、「先生、お家に帰るまでおばあちゃんがいない事に気がつかなかったおじいちゃんがいるんだよ。おばあちゃんは電車で寝てしまい、終電で終点まで行ってしまって、どうやって帰ったら良いか解らず困ってタクシーで家に帰ったんだって。おじいちゃんはおばあちゃんを起こしもせず、家まで一度も振り向かなかったにみたいで、おばあちゃんがすごく怒っていたよ。」って話してくれました。
久我山は急行も止まるのですが、各駅より混んでいて、なかなか座れません。
できれば少し座りたかったので、明大前で一番人が降りる二両目に乗りました。
予想が当たって、見事私の前とその隣が同時に空き、私と隣りに立っていた私より若いと思われる人と同時に座りました。
ところがホッとしたのも束の間、明大前からお年寄りが御夫婦で乗って来られました。
わたしは急いで目の前に立ったおばあちゃんに席を譲りました。
当然私の隣の人も譲ると思ったのですが、全くその気配もなく、知らん顔して座っています。もちろん席を譲る譲らないは自由ですが、おじいさんはヨタヨタしていて片手で吊革、もう片手は鉄棒につかまって必死に踏ん張っているのに知らん顔です。私は思わず睨みつけたのですが、寝たふりを始めました。
こんな人に無理に「譲ってあげて下さい。」って言っても気持ち良く譲ってもらえないなと思い、諦めました。
ところがです。
おじいさんはヨタヨタしながらも改札に向かってさっさと歩いていきます。
おばあさんは杖をつきながら、おじいさんより7~8メートル遅れて歩いています。
私はなんとなく気になって後ろからゆっくり歩いて行くと、おじいさんは改札を抜け私が銀座線に乗り換えるため別れるまで、一度もおばあさんを振り向かなかったのです。
びっくりです。
多分普段の暮らしの中でも、おじいさんは自分のしたい事を「お茶」とか「お腹すいた。」とか「テレビ点けて。」なんて口だけで、おばあちゃんになにもかもしてもらっているんだろうなぁ。そして、おばあさんの様子に気を使う事もなく何年も暮らしてきたんだろうなぁと思いました。あとから杖をつきながら歩いてくるおばあちゃんに全く気を使う事もしない旦那さんなのに、それを不満にも思わず、ただひたすら付いてきたおばあちゃんはすごいなぁと思いました。
今だったらすぐ離婚です。
上には上が有る!
そういえば長嶋さんも一茂さんを球場に置き去りにして、家に帰ってしまったんだっけ。
杉並区久我山 松本整体 久保田