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2008.05.07  生きることの難しさ

 私の友達に出版社に勤務している人がいます。彼は1年に何回か自分がかかわった仕事の本を送ってくれます。残念ながら、それらの本は、本屋さんに行ってもなかなか私の眼につかない物が多いので、私は、少々ずうずうしいことながら、その友人から送られてくる本を楽しみにしています。
 少し前に、なかにし礼さんと有名人の対談集「人生の黄金律」という本をいただきました。その中で一番心に残ったのが、まだ病に倒れる少し前の長嶋さんとの対談でした。
 長嶋さんの言葉に「まぁ、こういう時代ですからね。今は生きるという事は、ある意味では大変なとですよね。生きることは苦しいよね。そう思わない? 生きてること、存命していること自体が苦しいと僕は思います。」という言葉がありました。長嶋さんは、天才的な活躍で数多くの実績を残し、華やかな野球人生を歩んだ方です。性格的にも、細かいことを気にしないおおらかな逸話がたくさんあり、それがさらに長嶋さんを不動の人気者にしている様に思われます。大勢の人達から愛されている長嶋さにこんな面があるなんて想像もしていなかったので、とてもショックだったとともに、あの長嶋さんでも生きることは苦しいのだから、まして私のようなごく普通の人がそういう風に感じるのは当たり前なんだと変に納得し安心したりもしました。
 ところが、この連休中にこの四月から発行されている週刊誌「日本の歳時記」という本を読んでいたら、1番最後の「私の好きな句」というページに小沢昭一さんの記事が載っていました。
 その中に浅草の観音様にお参りに行く時、三社様に先にお参りして、そこにある、いろいろな碑を見て歩くのが好きだというような事が書いてありました。そして、その中に川口松太郎さんの「生きるということむずかしき夜寒かな」という句碑があり、小沢昭一さんはこの句が好きで「そうなの。そうなのよ。」とつぶやきながら、声を出して読んだりしている。と書かれていました。
 またここにも「生きることの大変さ」を感じている人達がいたのです。
 実は私もあそこにお参りしたとき、意外にいろいろな碑が建っていてビックリした覚えがあります。そしてその中に川口松太郎さんの「生きるということむずかしき夜寒かな」という句碑を発見し、川口松太郎さんのような方でも、こういう思いを抱いて生きていらっしゃったんだなぁと感動しカメラに収めてきた記憶があります。
 長嶋さんも川口松太郎さんも小沢昭一さんもみんな生きることの苦しさを抱えながら、1度しかない人生を精一杯生きてきた方々なんだなぁと感動を覚えました。そして改めて勇気と何故か安心感をいただきました。

松本整体 久保田昇子

投稿者 matsumoto (17:37) | PermaLink
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